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<<   作成日時 : 2013/11/07 11:38   >>

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家族にとってはショックな判決です。

24時間の見守りは不可能ですから、新たなシステムづくりが必要でしょう。

認知症男性の列車事故 720万円損害賠償命令で波紋
2013.11.7 09:00 (1/4ページ)[ゆうゆうLife]

認知症の男性が電車にはねられ死亡する事故が起きた愛知県内のJR駅
 高齢の認知症の男性が平成19年12月、線路内に立ち入って列車事故で死亡し、男性の親族が鉄道会社へ代替輸送などにかかった費用約720万円を払うよう命じられた判決が今年8月、名古屋地裁であり、関係者に波紋を呼んでいる。地域での見守りで「家での暮らし」を支えようとする住民や自治体職員からも「ショックだ」との声が上がっている。(佐藤好美)

 判決などによると、JR東海の線路内で列車にはねられ、死亡したのは愛知県内に住んでいた当時91歳の男性。同居の妻(当時85)は要介護度1で、横浜市に住む長男の嫁が2級ヘルパーの資格を取って近隣へ転居。通いで老々介護を支えていた。

 男性は要介護度4で認知症日常生活自立度IV。親族の代理人弁護士によると、尿意はあってもトイレの場所は分からず、着替えの際は家族が衣類を順番に手渡す状態。しかし、生活は穏やかで、男性がゴミ出しや街路樹への水まき、草取りをする際には、家族がガラス戸越しに様子を見守り、男性が故郷へ「帰る」と言い出せば、長男の嫁がいつものカバンを持たせ、男性の気の済むまで後をついて歩いていたという。

 事故は男性が通所介護から帰宅後に起きた。妻と嫁の3人でお茶を飲んだ後、男性が居眠りしたのを見て、嫁は片付けに立ち、妻もまどろんだ隙に男性はいなくなった。その後、線路内に立ち入り、列車にはねられ死亡した、との知らせが来た。

事故後、JR東海は男性の妻と4人の子供たちに振り替え輸送などにかかった費用約720万円を請求した。同社は「今回は痛ましい事故で気の毒な事情は承知している。ただ、輸送障害が発生すれば、特急券の払い戻しをしたり、振り替え輸送の費用を他の輸送機関に払う金額が発生したりする。列車の遅延が第三者に起因するときは必ず損害賠償請求はする。しかし、相続放棄をされていて訴訟に至らないケースもある」とする。

 訴訟では、本人の責任能力と親族の監督責任が問われ、名古屋地裁は本人の責任能力を「認められない」としたうえで、長男を「事実上の監督者」と認め、妻については「目を離さずに見守ることを怠った過失がある」とし、2人に請求額を払うよう命じた。

                   ◇

 ■24時間の見守りは不可能 新たなシステムづくり必要 

 判決は、在宅介護を支える人々に衝撃を与えた。全国在宅療養支援診療所連絡会会長の新田國夫医師は「認知症の人の判断能力はその時々で変わるので、譫妄(せんもう)に基づいた徘徊(はいかい)なのか、判断能力があるのにたまたま線路に出たのかは医学的にも判断できず、法律で問うこと自体に限界がある。24時間の見守りは、自宅介護の場合だけでなく、グループホームや施設でもできない。それを求めれば、拘束したり閉じ込めたりになりかねず、人権侵害につながる」と指摘する。

「釧路地区障害老人を支える会(たんぽぽの会)」の岩渕雅子会長も「介護に携わっていなかった親族は責任を問われず、介護した家族が責任を問われるのでは誰も介護をしなくなる。認知症の人が外に出ないように、家族が外から五寸くぎを打ち付けて介護していた時代に戻ったら困る」と言う。

 北海道釧路市では20年前から、行方不明の認知症の人を地域ぐるみで捜索・保護するネットワークをつくってきた。今は行方不明者が出ると、警察が保健所や福祉事業所、連合町内会やラジオ局、ハイヤー協会、トラック協会など約360団体に呼び掛け、地域ぐるみで捜す。

 しかし、事故をゼロにするのは困難だ。岩渕会長は「鉄道事故が起きれば鉄道会社も経済的な負担を負う。それを会社が負うのもおかしい。認知症の人が交通事故に遭い、ひいた人が罪を問われるのも困る。新たなシステムづくりが必要だと思う」。

 別のある自治体では実際に見守りをしていた認知症の女性を事故で亡くした。女性は日に複数回の神社の掃除が日課。家族や自治体は女性が盛夏に脱水で倒れることを心配してチラシを作成。家から神社への道沿いの公的機関や地域の人に働き掛けて女性を見守り、行方不明になったら連絡網で捜す仕組みをつくった。しかし、うまくいっているかに見えた2年後、女性は事故で死亡した。

 職員の中からは「在宅にこだわり過ぎた結果ではないのか」との声も出た。しかし、取り組みをするまでには、本人の意思をおもんぱかり、家族にどう暮らしたいかを確かめ、自治体の地域包括支援センターや福祉職が連携し、周囲でできることを検討し、地域で共通認識をつくって取り組んだ経緯がある。

事故後も家族の気持ちを聞き、地域の人の意見を聞き、関係者間で話し合った。「本人の意思には添えた。それをもって良しとするしかない」(同自治体職員)と結論付けた。

 取り組みをやめれば楽だし、家族の介護負担を一緒に担わなくても自治体は責任を問われない。だが、今も取り組みを進める。認知症になっても、それ以前と変わらぬ暮らしができる町にするのが願いだ。

 「本当にあれで良かったのか、今も整理がつかない。しかし、プロセスを丁寧に積み上げ、関係者の合意で意思決定をした。これで良いというやり方はない。今後も一件一件、個別に考えて対応していくしかない」(同)と話している。

                   ◇

 ■社会で保障する仕組みを

 認知症介護研究・研修東京センターの永田久美子部長の話「認知症の人を地域で支えるには、理解と合意を積み上げて行動を起こすのが回り道に見えて最短の道だ。鉄道会社にも見守りのネットワークに参加してもらうことで網の目は細かくなっていく。それでも事故は起こる。個人や鉄道会社にのみ責任を負わせるのではなく、鉄道事故や自動車事故などで生じる損害は社会で保障する仕組みが必要。判決を機に、社会的な見守りや支え合いの合意をつくり、損害をどう分かち合うかを議論し、人と費用と制度の重層的な支えをつくっていく必要がある」

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