9月21日は世界アルツハイマーデー


9月21日は世界アルツハイマーデー。1994年に「国際アルツハイマー病協会」(ADI)と世界保健機関(WHO)が共同で制定しました。この日は、世界中でアルツハイマー型認知症の啓発活動を実施しています。

わが国でも「認知症の人と家族の会」などが中心となって、講演会などを主催し、認知症への理解を呼びかけています。今回は、もうすぐやってくる世界アルツハイマーデーにちなんで、認知症ケアについてお届けします。





2012年6月、国の今後の認知症施策の方向性が示されました。社保審委員が「今年は認知症元年」と形容していたように、これまでバラバラだった医療・福祉の認知症対策を一本化、連携して地域で認知症の人を支える仕組みを構築しようというものです。
その中には、介護する家族に対する支援や、医師の認知症対応力の向上なども含まれています。
ケアマネジャーは、「ふさわしい介護サービスの整備」をどう整えるかが腕の見せどころ。そのためにも、より一層、認知症の人に対する理解を深めることが必要となってきます。


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認知症の人の状態を把握するために、皆さんはアセスメント時に「IADL」(日常生活関連動作または手段的日常生活動作)の尺度や、認定調査時の「認知症高齢者の日常生活自立度」を重要視していると思います。認知症の症状が進行するほど「IADL」が低下し、これまでできてきた日常生活上の複雑な動作――買い物や洗濯、服薬、金銭管理、乗り物に乗るなど――ができなくなってきます。

しかしアセスメントやモニタリングの場で、ケアマネジャーがご利用者の「IADL」を実際に確認することは難しいかもしれません。代わりに、支えるご家族の話をよく聴き、独居の方の場合は、ご本人の状態や家の中の様子を観察して判断していることと思います。
ご家族がケアをしている場合は、ぜひ「ご家族の悩みやストレス」にも耳を傾けていることでしょう。





認知症では、症状にあったお薬を選択することが重要です







認知症の場合、その多くはまだ「治る」治療法が見つかっておらず、認知症の6割以上を占めるアルツハイマー型認知症も、病院の治療目標は「服薬しながら生活機能を一日でも長く維持すること」になります。そのために、症状の進行を緩やかにする服薬は欠かせませんが、認知症が進行すると「正しい服薬」自体が困難になってきます。

アルツハイマー型認知症家族介護者300人に実施した調査によると、介護者にとって最も大きなストレスのトップは「単純な会話や指示が理解できない」で32.2%。次いで、「正しい時間に薬を飲めない/正しい用法・容量で薬を飲めない」が17.1%、「介助がないとベッドやトイレの場所がわからない」12.4%となっています。みなさんが担当されている認知症のご利用者のご家族も、このようなストレスで介護疲れの状態になってはいないでしょうか。




介護保険制度の要介護認定に用いられる「認知症高齢者の日常生活自立度」では、「服薬管理ができない」状態は、IIbに当たります。

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この状態になる頃には、ご家族はすでに疲弊しています。心身ともに疲れて果てて知らず知らずのうちに言葉による虐待や拘束など、ご家族・ご利用者双方にとって不幸な結果にならないよう、ケアマネジャーは常に配慮する必要があります。

服薬管理を例にとれば、幸いにもアルツハイマー型認知症の治療薬は、2011年に一挙に種類が増え、作用機序の異なる治療薬も登場しています。また、かつては経口剤のみでしたが、現在では使用する人の状態によってゼリータイプや口腔内崩壊錠、貼るタイプのもの(パッチ剤)など、形状もさまざまです。パッチ剤であれば、風呂あがりに背中など、ご利用者自身には見えないところにご家族が貼ってあげるだけで済み、「服薬困難」というストレスが一気に解消します。


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その他のストレスに対しても、通所やショートステイを日常的に生活に組み入れ、場合によっては小規模多機能居宅介護の利用も検討しながら、ご家族の介護負担が少しでも軽減できるよう支援します。また、介護保険サービスだけでなく、地域の「認知症サポーター」受講修了者や民生委員、家族会、市民後見人など、さまざまな社会資源が地域でどのように機能しているかを調べてご家族に紹介するなど、決して孤独でないことを知っていただくのもポイントです。









認知症について正しく知ろう



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高温多湿な日本の夏は、高齢者にとっては身体的負担の大きい季節です。特に夏日や熱帯夜が続くと、抵抗力の弱い要介護者はあっという間に体調を崩してしまいます。なかでも気をつけたいのが熱中症。一昨年の猛暑では、多くの高齢者が夜間に熱中症で亡くなる事故が相次ぎました。





熱中症とは、高温多湿な環境で、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温調整機能がうまく働かないことにより起こります。その症状はさまざまで、発熱、筋肉痛や大量の発汗、吐き気や倦怠感、重症になると意識障害などが起こり、しばしば命にかかわります。

平成23年の夏期シーズン(7~9月)、熱中症で救急搬送された人は全国で約4万人。このうち44%が65歳以上の高齢者でした(総務省消防庁調べ)。そして重症患者の60%は室内で熱中症にかかっています。なかでも高齢者の場合は、夏の夜、エアコンや扇風機をつけず、窓を閉め切って蒸し風呂状態で寝ている間に熱中症にかかり、朝、亡くなって発見される事例も数多く報告されています。

このように熱中症は、気温や湿度が高いといった外的要因と、高齢、暑さに体がまだ慣れていないなどの個人の体調による影響とが絡み合うことで発生が高まるため、暑さだけに注意を払っていると症状を見逃してしまう場合も。特に高齢者は暑さや水分不足(脱水)に対する感覚機能が低下しているため、暑さに対する体の調整機能も低下しています。そのため、ご利用者やご家族は、こまめな水分補給だけでなく、室温や換気にも気を配るよう注意を促しましょう。





ケアマネジャーの皆さんは、脱水予防のための水分補給については日頃から重要性を説明していても、居室環境について触れることは少ないかもしれません。熱帯夜が続く時期には、夜間の寝室の気温や換気についても、一度現状を把握しておくとよいでしょう。そしてもし、締め切った部屋で休む場合は、タイマーをセットしてエアコンや扇風機を使ったり、熱がこもりにくい寝具や冷感グッズなどを利用するなどの工夫が必要なことをお伝えしましょう。

エアコンを嫌がる高齢者には、水で濡らすだけで冷感が得られるタオルや、ジェル状の保冷剤をタオルに巻いて首周りや背中を冷やすだけでも、体感温度が違ってきます。ただし、これらの冷感グッズにはアレルギー性の接触皮膚炎を起こす事例が報告されているので、皮膚の弱い方は慎重に。

それでも熱中症になってしまったら、応急策として、以下を実行します。ただし、すでに意識が朦朧としており、水も飲めない状態の場合は、すぐに救急車を呼びましょう。


いかがですか。熱中症を防ぐには、脱水予防に加え、気温と換気にも気配りする必要があることがおわかりいただけたと思います。夏本番を目前に、ご利用者の体調の変化に気をつけ、暑さの抵抗力に合わせて、万全の予防を心がけましょう。



参考:厚生労働省「熱中症を防ぐために」

http://www.caremanagement.jp/?action_contents_season=true&page=summer2012

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